2020年03月07日

ピ-スボ-ト船上の難民

ア-カイブ記事            公開 : 2015年2月19日

大型旅客船は海に浮かぶホテルとも云われており、ホテルの居心地と共に船での旅を楽しめたらと、昨年7月出航の ピースボ-ト(オ-シャンドリ-ム号) 105日 地球一周の船旅 に参加した。

出航して驚いたのは船内の騒々しさだったが、1週間も過ぎれば落着くものと思っていた。 
しかし、時間が過ぎるほどに、船内の人々の騒々しさ・落着きの無さは、増すばかりとなって行った。

原因の一つは、フレンドリ-タイプと呼ばれる4人部屋で起きる人間関係のトラブル等から、船室に
寝る時だけしか戻らない 船上の難民 が大勢いた事だった。

7畳弱の船室に二段ベッドが二つ置かれたフレンドリ-タイプと呼ばれる4人部屋 に申し込むと、
船側はだいたい同じ年齢の4人を選び、一組の同室者とさせていた。

見ず知らずの四人が、7畳弱のスペ-スに105日の居住を共にするものだが、4人の中には個性の強い人・我が儘な人・偉ぶりたい人などが必ず居て、乗船後1週間も経つと四人部屋の人達の間に摩擦が出始めるものだった。

また 三人寄れば、閥が出来る の例えの通り、二人(三人)が組み、気の合わない者に嫌がらせ・
イジメを行う等を、始めるようになったそうだ。

英会話のクラスで一緒の4人は、それぞれ4人部屋で乗船していたが、4人とも同室者との摩擦に
悩み、クラスで会うと常に愚痴をこぼしていた。 やがて70歳を超えた女性は、同室者2人が組み
嫌がらせ・イジメを行うのに耐えきれなくなり大喧嘩の末、新たに大金を払い二人部屋に移っており、船旅での厭な思い出を作ってしまった。

狭苦しい4人部屋は寝るだけの場所 だが、4人の一日の行動パタ-ンは異なっており、早寝の人・
夜中に戻って寝る人など様々で、ベッドに入ると他人のイビキ・セキ・頻繁なトイレ起きなどがあって、アイマスク・耳栓でも安眠は得られないものだった。

安眠を得られない人達は、昼間の時間に公共スペ-スの椅子・ソファで寝ている人や、ホ-ルで講師による講座が始まると、寝場所を得たとばかり寝込む人が多く、あちこちからイビキが起きていた。

同室者の嫌がらせを受けている人達は、私物をリュックに入れ常に背負って船内を移動するバック
パッカ-
となっていた。 夏の期間の船旅は気温が高く、その暑さの中リュックを背負っての一日は、船旅に期待したイメ-ジから考えられないものだったと思う。

105日の船旅で、各国への寄港日数は31日であり、残りの74日は騒々しく落ち着かない船上で
過ごさなければならなかったもので、船上の難民 となった乗船者の満足度は、如何ばかりだったの
だろうか?

他人との同室を我慢できない私は、高いお金を払い一人船室を選んだが、静かな船旅が楽しめない四人部屋船室を設ける船会社の旅には、もう絶対参加しないと、決めたものだった。

旅の後半には、船上の騒々しさを避け船室に留まり、ト-マスマンの 「魔の山」 を繰り返し読んで
いたものだった。

  〈 35°を超える甲板上のバックパッカ- 〉         〈 講座では、約4分の1が寝ていた。 〉











     〈 二段ベッドが二つの4人部屋 〉           〈 ベッドも私物の置き場所に 〉







  


  • Posted by ボブ at 10:58Comments(0)ピ-スボ-ト体験記

    2020年02月13日

    船員が一番危ない

    中国武漢市で発生した 新型コロナウィルス肺炎 から、急遽チャ-タ-機で帰国した第1便帰国者
    197人全員の陰性確認のニュ-スが流れ、少し明るい気持ちになりました。

    一方で、クル-ズ船「ダイアモンド・プリンセス」の 新型肺炎問題 では、乗船客の内 症状者・高齢者 だけに検査対応が行われており、次々と新たな感染者が出てきている状況です。

    これは、検査人員が限られている事と、検査で陰性/陽性の判断に時間が掛かる等から、やむを
    得ないように云われているようです。

    今度の 新型肺炎の恐さ は、感染者であっても症状は出ず、通常の生活をおくることで、陰性の
    人達を知らぬ間に感染させてしまう事です。

    感染を防ぐには、感染者との 濃厚接触を避ける(2メ-トル以上離れている)事 と云われていますが、クル-ズ船の船員たちには不可能なものです。

    乗船客は、ある程度の広さがある客室に滞在していますが、船員たちは船底に近い船員専用の狭い部屋(カイコ棚ベット)で過ごしており、1人2メートル以上の空間は得られないものです。

    昨日のニュ-スでは、船員からも陽性者が出たと伝えられていますが、船員部屋での感染者は今後ますます増えると思えます。

    問題なのは、クル-ズ船の換気はダクトで行われており、新型コロナウィルス菌が浮遊していれば
    各客室と船内中に流れて行きますので、最悪のケ-ス エアロゾル感染 が加速的になるものです。

    更なる問題として、船員・クル-に新型肺炎発症者が増えると、食事作り/配膳ほかのサ-ビスが
    不可能になることです。 この様になってからでは、手の施しようがなくなります。

    政府が、病院船の検討を行っていると伝えていますが、速やかに実現させ、途上国から働きに出てきている船員たちの命を保証して欲しいものです。

    6年前、地球一周のクル-ズ船に乗り、換気ダクトから流れてくる空気から、喉風邪を何度も患った
    ことが思い出されます。 (日本にいて掛かったことがない喉風邪でした。)






      


  • Posted by ボブ at 10:57Comments(0)ピ-スボ-ト体験記

    2014年12月17日

    ピ-スボ-ト 4人部屋の怖さ

    前回の記事 ピ-スボ-ト オーシヤンドリ-ム号の現実 http://bobtakeda.tamaliver.jp/c16713.html で、「四人部屋で105日を過ごした乗船客の、悲喜こもごもの現実。」 と述べている。

    第84回 ピ-スボ-ト地球一周の船旅 の参加者は約850人で、その6割が高齢者であり、一人での参加者も多かった。 船内で知り合った一人参加の人達から聞かされた四人部屋の怖さ などを、
    これからの乗船を考える人達への、参考情報になればと思う。

    1.船室の狭さ
    四人用船室は7畳弱で、二段ベッドが二つ置かれ、大人四人が共に使うには息詰まる狭さであり、
    夜に寝るだけの場所となっていた。 加えて1畳位の広さに、トイレ+洗面所・カ-テンで仕切られたシャワ-があり、これらを四人が交代で使うことになっていた。

    持ち込んだス-ツケ-スなど私物を置く場所も限られ、これらを何とか置くと、船室空間は窮屈さが増し、船室は更に居心地が悪くなった。

    2.二段ベッドのハシゴ登り降り
    四人部屋は、二人が二段ベッドの上で寝ることになるが、就寝時には船室は消灯されており、夜中のトイレ行きでハシゴの降り登りは、高齢者にとって怖かったそうだ。 船の揺れが大きいと、さらに
    怖くなりトイレ行きを我慢しながら、揺れが少なくなるのを待ったと語っていた。

    横浜港を出港しハワイに向かう途中で、二段ベッドのせいで骨折した女性がいて、気の毒だった。

    3.衛生面
    船室の洗面所には、最初からイソジン ガーグルが置かれており、空調により喉風邪を患う人たちが
    多いためと、説明を受けた。 私も出航して直ぐに喉風邪に掛かり、風邪クスリとノドアメに頼ったが、一時良くなっても再びぶり返す悪質のもので、航海中悩まされ続け、他の乗船者も同じだった。

    四人部屋では、クシャミ・セキを一人がすると、それらの飛沫が部屋中に舞い、感染性の風邪は
    あっという間にうつり、私の両隣りの船室からは常にクシャミ・セキの音が続き、安眠を妨げられた。

    この航海中でもエボラ発熱病でアフリカでの寄港を断念させられたが、今は感染性の強い病気の
    急な発生があり、逃げ場の無い船の中で特に四人部屋は、まず真っ先に感染拡大の怖さがあると、四人部屋の人は話していた。

    4.人間関係
    四人部屋に申し込んだ乗船客は、旅行会社が同じ年齢層の者を選び、四人の同室者としていた。
    フレンドリ-タイプ と呼ばれている船室に、見ず知らずだった四人が105日の寝泊りを同じにした
    ものだが、中には個性の強い人・我が儘な人・偉ぶりたい人などが居て、乗船後1週間も経つと
    四人部屋の人達の間に摩擦が出始めたそうだ。

    また 「三人寄れば、閥が出来る。」 の例えの通り、二人(三人)が組み、気の合わない人に嫌がらせの行動を取っており、一種のイジメを受けた人達の苦情・愚痴を、よく聞かされた。

    フレンドリ-タイプ の名称はそぐわず、アンフレンドリ-タイプ と変えるべき現実で、四人部屋には様々な怖さがあった中、一番怖いのは この人間関係 と言えた。

    次回に、安息・安眠の場が得られなかった人達の船上生活を、参考として紹介したい。

         〈 7畳弱の広さの四人部屋 〉                 〈 私物置き場に苦労 〉








      


  • Posted by ボブ at 10:38Comments(0)ピ-スボ-ト体験記

    2014年12月05日

    ピ-スボ-ト オ-シャン ドリ-ム号の現実

    ピ-スボ-ト 世界一周の船旅 は、旅行業者の(株)ジャパングレイス が旅行企画・実施しており、今までにチャ-タ-された数々の旅客船 の船体にPEACE BOAT と、書き続けられてきた。

    今回の船旅で乗船したパナマ船籍 オ-シャンドリ-ム号 は、1981年にデンマ-クで造船されて
    おり、2012年5月から(株)ジャパングレイスがチャ-タ-し、世界一周の船旅に使っている。

    船の運航に携わる乗務員(クル-)は、船長のパナマ人を始めとして、多くの国からの人々だった。
    一方、顧客サ-ビス・雑事を担う乗務員は、インドネシア人(200人)・フィリッピン人・マレ-シア人・インド人などで、彼等は母国語と共に英語を話せた。 乗務員は総計で約400人と聞いている。

    船室は窓がある部屋 と、通路の内側にある無窓の部屋 があり、どの船室も 広さは7畳弱 だった。
    この7畳弱の船室(高さ2m)が、1人部屋・2人部屋・4人部屋として使われ、4人部屋では二段ベッド二つが置かれている。

    部屋を仕切る壁は薄く、隣り部屋の声が聞こえ、船内で長く続く喉風邪 によるセキ・クシャミの音 が大きく響き、105日もの間 安眠を妨げられていた。

    一方では、8階はホ-ルやラウンジなどがある公共スペ-スだが、若者たちが夜中に騒ぐため、7階船室の客から苦情が絶えなかった。  ホ-ルの入口に「夜10時以降は、静かにして下さい。」との
    注意書が夜に出されたが、夜でなければ騒いでも差し障りがない、と公言している様なものだった。
    限られた公共スペ-スは、自主企画とかの集まり・右往左往しながら大声で話す人達・群れて騒ぐ
    若者達などがぞろぞろ居て、落ち着いて過ごせない場所となっていた。

    大型旅客船の旅は、海に浮かぶホテルでの生活と期待していたが、この船ではOCEAN(洋上)でDREAM静かな時間・安眠 を得られぬものだった。

    この原因の一つは、四人部屋で105日を過ごした乗船客の、悲喜こもごもの現実から来たもので、次回以降に 紹介したい。

        〈 オーシャンドリ-ム号船体 〉               〈 7畳弱スペ-スに4人部屋 〉




      


  • Posted by ボブ at 11:19Comments(0)ピ-スボ-ト体験記

    2014年11月21日

    ピ-スボ-ト 乗船客は玉石混淆

    地球一周の船旅の初日(7月9日)に、船上生活オリエンテ-ションがあった。
    その中で、今回の参加者は850人、参加者の内訳は、高齢者6割・若者3割・中年者1割で、一人の
    参加者が多いと知らされた。

    参加者の平均年齢は60歳を超え、女性客が60%を占めており、ピースボ-トに過去に乗船の人はリピ-タ- と呼ばれ、約250名いるとも紹介された。

    大きなテ-ブルを囲む夕食時に、積極的に自己紹介をするよう薦められていて、毎日変わる同席者
    からは出身地・乗船理由などを聞かされた。 また船内生活が進むと、近くで行動していた乗船客の態度・言動などから、時間・行動を共にしたくない人達も見えてきた。

    元商社マンや海外駐在経験者が参加しており、語学堪能な彼ら はテーブルマナ-・公共マナ-がしっかりしており、話題も豊富で時間を一緒にするのが楽しかった。

    また、各分野で実績を残されている方・著名な芸術家・元教師などの多くは、マナ-ある行動をとっていて、同じに乗船出来て良かった方々だった。 これらの乗船客とマナ-を心得た紳士淑女を、私は玉石混淆と分けたが、多目に見て乗船客の1割 ほどだった。

    他の乗船客が、玉石混淆になるが、石の中にはクズ石も多く含まれていて、このクズ石の迷惑・不愉快な行動など が、船旅を楽しくないものにする一因となった。

    クズ石 に分けた乗船客の例 ;
     ・高笑い・大声で話すなど、公共マナ-をわきまえない人。
     ・リピ-タ-であること・旅の回数・職業などの自慢を、繰り返し話す人。
     ・奇抜な恰好・姿で闊歩する人々。 … 船内を高下駄で歩く・着物にハカマ姿・食事時に帽子など。
     ・下手な津軽三味線を、ピアノバ-で毎日長時間ベンチャカベンチャカやっていた人など。
     ・自主企画とか言って、何かを教えたがる人達。
     ・群れて歩く・夜に大騒ぎを行う・良識ある行動を取れない等々、マナ-がない若者たち。

    乗船者の中には、一生に一度の思い出として参加した人達も多くいたが、クズ石たちの迷惑・不愉快行動で、幻滅の船旅となった方も多かったと思う。 

      〈 乗船したオ-シャンドリ-ム号 〉                〈 太平洋上で見た満月 〉






      


  • Posted by ボブ at 12:18Comments(0)ピ-スボ-ト体験記

    2014年11月15日

    ピ-スボ-ト 一人部屋にダブルベッドなど

    私の地球一周の船旅は、7月9日に横浜港大桟橋から、オーシャンドリ-ム号に乗船し、スタ-トとなった。

    乗船し、予約した一人部屋船室に入ると、タタミに換算すると7畳弱の居住の大部分をダブルベッドが占めていた。 先に送ったス-ツケ-ス・ダンボ-ル箱2個が船室に置かれていて、船室はすべて
    占められた有り様だった。

    開梱したダンボ-ル箱を潰し、衣類を洋服ダンスに収納した後に、ス-ツケ-スをダブルベッドの
    下に入れ、ようやく船室の窓辺まで歩く事が出来るようになった。

    ダブルベッドは4畳強の大きさがあり、船室はこのベッドで大半を占領され、さらにベッドはシ-ツ
    交換などの都合から中央に置かれており、窓辺に向かう空間は、人一人がようやく歩ける幅だった。

    一人部屋になぜダブルベッドを置くのか、二人部屋として使う目的とも考えられるが、快適な船旅を提供するのが旅客業の義務であり、一人使用で申し込んだ客に心地よく過ごせる最適ベッドへの
    配慮をするべきではないか と、腹立たしく105日を過ごしていた。

    船室に置かれたTV は、19インチ ブラウン管方式の年代物で、画面は暗くチラチラと星のような
    ものが現れる代物だった。 船内のTV放映は1チャンネルだけで、ほとんど同じ映画を1日に何回も流すだけだった。 たまには見たい映画があり、TVをつけると画面の上下に帯が出てきて、映画を
    観ると19インチの画面は、更に狭く見づらいものとなった。

    このTVは故障は起こしていなかったが、下船10日前になって液晶TVへの交換となった。 大型液晶TVでは、画面は綺麗で目がが疲れることもなくなり、音質も良く映画を楽しめるようになった。

    TVを交換に来た外国人乗組員に「今頃になって、なぜ交換するのか? この様なTVが乗船時から設置されているべきではないか?」と、抗議すると「その通りで、申し訳ないが、私に云われても
    困る。」との答えが戻ってきた。 

    彼の答は正しく、実際には旅行業者 ジャパングレイス社のマネ-ジメント問題 だった。 

    故障していないTVの下船10日前の交換 ば、私の神経を逆撫でさせただけで、ダブルベッドでの
    不愉快と重なり、不満の多い船旅 の思い出の一つとなった。

         〈 ダブルベッドが占める船室 〉           〈 年代もの19インチ ブラウン管テレビ 〉







      


  • Posted by ボブ at 11:45Comments(0)ピ-スボ-ト体験記