2013年08月26日

オルゴ-ルの機械

                     ア-カイブ記事      公開 : 2011年8月26日

オルゴ-ルは、時計と同じようにゼンマイと歯車を使い、メロディを奏でる機械仕掛けで、19世紀の初期、スイスの時計職人によって作られ、懐中時計などにも組み込まれていたそうです。
この機械仕掛けを、オルゴ-ル ム-ブメント と呼び、基本構造は現在でも変わっていません。

オルゴ-ル ム-ブメント (以下、ム-ブメント)は、わずかな部品構成です。

      〈 分解したム-ブメント
ゼンマイは1番車とセットで、円筒カバ-内に
納り、ゼンマイを捲くと、ゼンマイが解ける力で
1番車を回転させます。

1番車にかみ合うシリンダ-車には、曲に合わせてピンが植付けられており、これらのピンが
櫛歯を弾きます。

ゼンマイの力は強く、シリンダ-車だけでは曲に合った遅さは得られず、シリンダ-車の歯車に、写真下左の歯車がかみ合い、減速されます。


    
    〈 シリンダ-車クシ歯

シリンダ-車のドラム部分に、曲に合わせたピンが植えつけられて、シリンダ-車が回転すると、このピンがピアノの鍵盤の役目をするクシ歯を弾き、メロディを奏でるものです。

古いオルゴ-ルには、櫛歯が1~2本折れて
いるものがあります。(折れやすい金属)
骨董市などで、買う時はゼンマイを捲き、正しく曲を奏でるか?の確認が必要です。



       〈 調速機(歯車輪列) 〉
強いゼンマイが使われており、1番車の回転は早く、かみ合うシリンダ-車は、ゆっくりメロディを奏でられません。

シリンダ-車の歯車に、調速機となる歯車を
かみ合わせ、最後に連なる風切り車で減速させます。

古いオルゴ-ル置物が、具合良くメロディを奏でられないのは、この調速機油切れ が多いものです。(その結果、蚤の市では安く買えます。)


油切れの場合、私はム-ブメントを分解し、ベンゼンで洗浄し再組立ての後、ミシン油などを注油しています。 インスタントな直し方としては、ム-ブメント調速機に、CRC 5―56 などの潤滑剤
スプレ-すると、ほとんどスム-ズな動きに戻ります。

古い大型オルゴ-ル機には、円盤に突起を起こし、この突起で曲を奏でるディスク オルゴ-ル もあります。

追記 : 2012年8月27日
諏訪湖祭湖上花火大会を見学した翌日、下諏訪地区の散策時間内に諏訪湖オルゴ-ル博物館
奏鳴館
を訪れ、古いディスク オルゴ-ル機などの実演奏を聴きました。
暑い日なたを歩かずに、涼しい館内で歴史あるオルゴ-ル機実演を楽しみ、涼も取れました。

なお、奏鳴館などで販売されている、今のオルゴ-ルの機械は、ロボット組立で加締められるため、分解出来なくなっています。  


  • Posted by ボブ at 09:48Comments(0)オルゴ-ル

    2013年08月20日

    花への供養

                         ア-カイブ記事      公開 : 2011年8月17日

    8月13日の夜、4年ぶりに、月下美人の花が咲きました。 10数年前に、友人のK氏から鉢植えで貰ったものです。 今年、久しぶりに株分けし植え替えたのが、良かったのでしょうか?

    夕方5時頃に、上向きに持ち上がった蕾が急に膨らみ始め、その夜の開花を確信しました。

    美しく、しかし一晩しか咲かない薄命の花、半夜の見物のため、いそいそと冷酒を買いに行きました。 7時になって、先端にぽっかりと穴が開きましたが、その後なかなか全開へと進まず、待ちきれず  晩酌を始めました。

    NHKの懐かしのメロディを見聞きし、9時になった頃、部屋の中に芳香が漂い始め、本格的な開花 へと進みました。
    ベランダから夏の夜空を見上げると、中空に満月に近い月が登っており、月下美人はこの月のタイミングを、待っていたのかも知れません。
    純白色で豪華な花姿は、天女の羽衣を連想させ、芳しい香があたり一面に漂うなか、ほど良く冷えた冷酒を飲みながら、贅沢な月下美人の花見の時間を楽しみました。

    翌日K氏に開花の報告電話をすると、いつもの とうり彼は、「咲き終わった花を食べて供養したか?」と、 聞いてきました。
    「咲き終わった花を切り取り、捨てればただの ゴミになってしまうが、食べてあげれば、花への供養になるのさ。」と、のたまいます。

    「湯がいて、二杯酢がいいよ。テンプラにも出来るがね。」と、酒の師匠はご指導します。
    実際に、湯がいて二杯酢で食べてみると、ヌメリが少しあり、ザクザク感のある乙な味でした。


    そう、月下美人の花は、食べられる花(edible flower)でもあるのです。

    暗くした部屋で、フラッシュを使わず撮った写真は、ピンボケ気味で、本来の美しさが出ていません。 花の直径は、14Cmでした。

      


  • Posted by ボブ at 09:40Comments(0)植物・園芸

    2013年08月17日

    集まったオルゴ-ル

                         ア-カイブ記事      公開 : 2012年8月24日

    20年ほど前、久米川にあったマサズ・ジャンクヤ-ド を訪れ、多くの懐中時計を見せてもらった後、かってはアメリカに世界一の時計産業があった事を、教わりました。

    当時は、3年間のアメリカ駐在中でしたので、現地でアメリカ時計産業史に触れようと考え、帰米後に N A W C C (国際 ウオッチ・クロック 収集家 協会)のオハイオ 23支部に入会しています。
    二月に1度ほどの集会に参加し、歴史的アメリカ製古時計を見る機会を得たり、売買・交換会に参加
    して、主に古い懐中時計の収集を行うことが、出来ました。

    NAWCC の二月に1度の集会の間は、休日にアンティ-ク ショ-アンティ-ク モ-ルに出掛け、アメリカ時計メ-カ-の古時計を、探し歩きました。

    オハイオ州の各地で開かれるアンティ-ク ショ-では、広大な会場に600以上のディ-ラ-が店を開き、ありとあらゆる古い物が並べられていました。
    しかし、古時計を扱うディ-ラ-は少なく、また食指が動くレベルの品は置いておらずで、古時計の
    収集が無い日も多いものでした。 アンティ-ク ショ-に並ぶ品物の多くは、収集の対象としてB 級アイテムがほとんどで、それらを収集する客の購入単価は低いことより、高価となってしまう良質の
    古時計を扱うディ-ラ-が少ないのは、仕方のないことでした。

    欲しい古時計が見つからなくとも、アンティ-ク ショ-を見歩くのは楽しいもので、ショ-の会場に
    置いてある各地のショ-の案内チラシをもらい、次に訪問する会場を決めていました。
    住んでいた ダブリン市 から往復300km以上ある都市にも出掛け、欲しくなる古時計が見つから
    ない時は、何かしら思い出になる品を買っており、その中に安価なオルゴ-ルが多く含まれました。

    訪れた都市は、コロンバス・シンシナティ・デイトン・スプリングフィ-ルド・カントン・アクロン・クリ-ブ
    ランド等で、ショ-が定期的に開かれる都市会場へは何度も訪れており、手元にあるオルゴ-ルの一つ一つに、それらの都市会場で過ごした楽しい時間の思い出があります。

    帰国時に、オルゴ-ルのダンボ-ル箱が数箱になっており、これらの集まったオルゴ-ルの数から、改めてアンティ-ク ショ-に通った回数の多さが、分かりました。

    単身駐在で、週に80時間以上働き、日曜日の午後だけが自由時間の中、長距離ドライブを含め
    アンティ-ク ショ-に時間を費やしたのは、唯一の Pastime (息抜き)となったからでした。

                    〈 集めたオルゴ-ルの、ほんの一部です。〉


      


  • Posted by ボブ at 14:24Comments(0)オルゴ-ル

    2013年08月14日

    PASTIME(パスタイム)

    吉祥寺に、店名がMasa’s Pastime (マサズ パスタイム)のアンティ-ク ウオッチ ショップ
    あり、質の高い古時計修理・懐中時計販売・豊富な情報で、古時計収集家の間で知られています。

    英辞書に、 Pastime は、 ①.余暇を楽しく過ごす娯楽。 ②.気晴らし。 とあり、
    語源は Pass Time として、①. 時間を過ごすこと。 と、説明されています。

    Masa’s Pastime は、「マサの娯楽」とも訳せ、オ-ナ-のマサさん がアンティ-ク ウオッチ
    ショップ の経営を、趣味・娯楽の範疇で行っている様にも思え、羨ましく感じます。

    Masa’s Pastime の店は、吉祥寺に移る前は久米川にあり、マサズ・ジャンクヤ-ド の店名で、
    古時計販売・修理を行っていました。 この店が良質の古い懐中時計の宝庫として、趣味の専門誌に紹介され、私は20年ほど前に店を訪れています。
    購入予定はないと断って店を見せてもらいましたが、親切に貴重な懐中時計の数々を見せてくれ、
    帰りにはアメリカ鉄道時計の歴史資料も、頂いています。

    この久米川店行きは、アメリカ駐在の一時帰国の時で、もらった鉄道時計歴史資料から、かっては
    アメリカに世界一の時計産業があった事を知り、帰米後すぐに N A W C C (国際 ウオッチ・クロック 収集家 協会)のオハイオ 23支部に入会し、二月に1度ほど開かれる集会に必ず参加して、多くの古時計や資料の収集を行うことが、出来ました。

    平行して、休日には時間を作り、アンティ-ク モ-ルやアンティ-ク ショ-にも出掛け、古時計の
    物色をしましたが、NAWCC の集会で購入出来た質の高い古時計と同等の品は、滅多に並んで
    いませんでした。
    あの20年前に、マサズ・ジャンクヤ-ドからアメリカの鉄道時計資料提供が無ければ、NAWCC に入会しておらず、従って現在保有の古時計の数々も入手出来ていなかったものと、思っています。

    Bob’s Pastime (私の、楽しく過ごす趣味の時間。)の一つは、集めた古時計・オルゴ-ル
    などの手入れをしながら、かっての持ち主とその時代に想いを馳せることです。

       〈 ウオルサム 鉄道時計 ダブルハンド 〉            〈 クレセント 21石 6 P調整 〉













     〈 ハミルトン 鉄道時計 レイルウエイ スペシャル 〉            〈 992B 21石 6 P調整 〉














      〈 ハワ-ド鉄道時計 モンゴメリ-ダイアル 〉              〈 19石 5 P調整 〉














    写真以外に、エルジン社・イリノイ社・ハンプデン社などの鉄道時計を集めています。  


  • Posted by ボブ at 11:05Comments(0)時計

    2013年08月12日

    半円球の大花火

                         ア-カイブ記事      公開 : 2012年8月19日

    夏の花火大会が好きで、今年は旅行会社のツア-に参加し、長野県・諏訪湖祭湖上花火大会を、
    見物してきました。

    打ち上げ数4万発・日本最大級のこの花火大会は、毎年8月15日に開催され雨天も決行し、今年で第64回目と長い歴史を持ちますが、常に花火の技の進化に力を注ぎ、その成果を毎年のこの花火大会で見られる事より、それらを楽しみの大勢の見物客が訪れます。

    ツア-参加の40名は、立川・八王子で特急あずさ17号に乗車し、まず茅野への移動となりました。
    茅野に近づくと空は黒い雲に覆われ、車窓を大粒の雨が叩き出し、茅野駅から出る時は傘をさして、この夜泊まるホテルに向かいました。 この時点では、雨の中での花火見物を覚悟していました。

    ホテルに旅行荷物を残し、茅野駅から満員の鈍行列車で、花火大会がある上諏訪へ移動しました。
    花火打上げ場は諏訪湖に浮かぶ初島が中心で、私達の見物場所は、この初島をすぐ左に見下ろすホテル紅やのコンベンションホ-ル屋上特別桟敷席でした。

    桟敷席に着いた頃は、小雨が時々パラツキましたが、天気が回復方向に進んでいるのが分かり、
    憂いが晴れて夕食弁当を広げビ-ルを飲みながら、大会の開始を待ちました。
    7時に花火の打上げが始まりますと、次々と打ち上げられる花火の中で、見応えのある作品花火に「ワァ-ッ!」の大歓声がそこら中から起こり、大きな拍手が続きました。

    プログラムは第一部の花火師の競技会と、第二部 「美を求めて限りなき挑戦」とあり、第一部の花火競演では、今までに見た花火がほとんどでした。

    第二部に入る頃に夜空から雲が消え、少しある風が花火の煙を動かしましたので、絶好の花火鑑賞条件となりました。 第二部は14のテ-マ作品花火の競演で、どれも満足できる内容でした。
    特に、ミュ-ジック スタ-マインでは、「 Shall we dance ?」「 宇宙戦艦ヤマト」などの歌声に
    合わせアレンジされた作品花火の打上げで、見物客は耳と目で楽しみました。

    終演前の二テ-マは、今までに見物したことがない素晴らしいものでした。
    一つは、水上スタ-マイン 「 Kiss of Fire 」で、水上で点火されるスタ-マインは水面上に半円球に広がり咲くもので、離れた場所で二つのスタ-マインが開花し、その二つが生き物のように動き、
    やがて二つの半円が接触する演出は、まさにテ-マ名を表現していました。

    フィナ-レは「水の精・光の精」のテ-マ名で、2Kmもあるナイアガラの仕掛け花火が、光のしずくを湖面に流れ落とす中、上空では次から次へと見事な大輪花火が開き、50万人の見物客は息を呑んで見とれ、大会終了のアナウンスを聞くと、大満足の顔で帰路に向かっていました。

    翌日は下諏訪地区・霧ヶ峰などの散策でしたが、朝ホテルから観光バスで再び上諏訪方面に向かいましたら、「山下清 放浪美術館 の案内看板が目に飛び込みました。

    山下清画伯は、夏の花火が好きで各地の花火大会を訪れましたが、昭和24年に始まった諏訪湖祭湖上花火大会にも訪れていて、その記憶を「ナイアガラ花火と見物人」の作品名で残していました。
    水上スタ-マインは昭和36年に登場したそうですので、画伯も見物されたのでは?と思いますが、半円球の大花火を見物人と共に絵にするには、構図的に難しかったのか?と、考えました。



    追記 : 2013年8月12日
    毎年、大きな花火大会の見物に出掛けていましたが、今年のような暑さでは遠出する気が起きず、昨夜は20年ぶりに西武園の花火見物に行ってきました。 

    花火打ち上げ数は少なく、わずか30分で終わるもので、物足りなさを覚えましたが、生ビ-ルを飲みながら20年より前に何度も甥っ子・姪っ子を連れて見物していた時は、いつも大満足で楽しんだ事を思い起こしました。 今回の見物で、物足りなさを感じたのは、飲み放題の生ビ-ルを飲み楽しむ
    時間が、少し短かすぎたからかもしれません。  


  • Posted by ボブ at 10:14Comments(0)外出