2020年11月17日
ボジョレヌ-ボ-なぜですか?
ア-カイブ記事 公開 : 2011年11月15日
その年のボジョレヌ-ボ-を飲める解禁日は、11月第3木曜日と決められているそうです。
日本では、いつも当日のニュ-スで大きく取り上げられますが、友人のW氏はこの騒ぎを、何事も
本質を知ろうとせず、踊らされ易い日本人の姿の一つだと、嘆きます。
24年前の11月10日に、最初の駐在国としてベルギ-に赴任し、ブリュッセルに住み始めました。
しばらく過ぎての街角歩きの時、ある店先で陽が当たる場所に、バケツの中にワインを立て売られており、その価格が非常に安いのに驚きました。
翌日、駐在先輩のW氏に話したところ、「それはボジョレヌ-ボ-だが、ブドウジュ-スを醗酵させたもので 未熟ワイン だ。 言い換えれば、ワインもどきさ。 あんな物を飲むものではないよ。」と、
言われました。
駐在が長い彼は、ワインを学び楽しみ、TPOで飲み分けるワイン通となっており、ボジョレヌ-ボ-について教えてくれました。
1.ワインの製造プロセス
①.8~9月頃、ブドウの実が摘まれる。
②.大タンクに入れられた実は押しつぶされ、実汁と皮が一緒になった状態で、
1次醗酵が始まる。
③.ある期間醗酵を続けたあとで、こされてカスが取り除かれ、第一段階のワイン元酒となる。
④.このワイン元酒は、樽に入れられ、翌年の春まで第2次醗酵しながら、寝かせられる。
⑤.第2次醗酵を経て、樽からボトル詰めにされ、出荷される。(これまでに最低6ヶ月かかる。)
⑥.ボトルワインは、10~15℃の管理温度の下、ボトルの中で第3次醗酵を続ける。
⑦.ワイン購入者は、自宅のワインセラ-で保管し、時と共にワインが育つのを楽しみながら飲む。
2.ボジョレヌ-ボ-
8月に摘んだブドウの実から作られ、ワイン元酒は2ヶ月足らずでボトル詰めの製品となり、日本には11月上旬には届いている。
第一段階のワイン元酒のボトル詰めは、言い換えればブドウジュ-ス醗酵酒 のワインもどき。
ワインを知る欧米の知識人 は、ボジョレヌ-ボ-を、一般ワインとしては飲まない。
3.他のフランスワイン産地 では?
ボルド-とブルゴ-ニュがフランスワインの二大産地だが、ボジョレ地区 が行う ワインもどきでの生産出荷は絶対しない。
ボジョレヌ-ボ-が正しいワイン製法で本物ワインと評価されるなら、他のフランスワイン産地も同じようにするはずだ。
短期間でワインとしての出荷なら、手間暇掛けずに早期の売り上げとなり、より儲かるものだ。
4.11月第3木曜日が解禁日?
説は、いくつかあるが、第二次大戦中にドイツ軍に占領され、ワインを徴収されたボジョレ-地区は、戦後になって飲むワインが無くなり、翌年春まで待つことが出来ず、新しく解禁日なるものを作り、
未熟ワインで平和を祝ったとも云われている。
今では、解禁日を設ける事で、消費者に価値のある物のように思わせる、巧みな商法と云える。
5.ボジョレヌ-ボ-の値段は妥当?
原価は、通常ボトルでせいぜい2~300円位だ。 日本で飲むボジョレヌ-ボ-は、高い宣伝費+
飛行機代+利益マ-ジンで、高くなっている。 つまりボジョレヌ-ボ-を飲む者は、価値ある
ワインに高いお金を払っているのではない。
安い原価のブド-ジュ-ス酒を、ボジョレの戦略と宣伝で、高値で売るボロ儲けの商売。 本質を
見抜けぬ人達がいる限り、このボロイ商売は続く。
友人のW氏は、11月第3木曜日の騒ぎのニュ-スを聞くと、「いつになっても、本質を知らずに踊ら
される輩が減らず、それら日本人は実に情けないことだ。」と嘆いてきます。
昨年、私は、「自分のお金で買って飲むのだから、良いんじゃないの。タデ喰う虫も好きずきと
思えば。」と言ってみました。
すると彼は、「タデを食う虫は、タデを分かって喰っているんだ。 ワインの勉強もせずに、マスコミが取り上げるから踊らされて飲み、ワインと言えないものを美味しいワインだなどと言っていることに、我慢出来ない。 欧米の知識人に、日本人の本質を見抜けぬ低いレベルを晒しているものだ。」と、
さらに怒りを膨らませました。
今週末、W氏がまた憤慨の電話をしてくるのでは?と、思いつつ、焼酎のお湯割りを飲みながら、
この記事を書きました。
追記 : 2020年11月18日
今年のボジョレヌ-ボ-の解禁日は、11月19日です。
10月下旬に、今年のボジョレヌ-ボ-は成田空港で、通関を終えています。
毎年、「今年のボジョレヌ-ボ-は、最高の出来です。」と、宣伝されるワインもどき。
今年も、マスコミに踊らされる 無知なワイン通?のニュ-スが、TVで流れるのでしょうか?
その年のボジョレヌ-ボ-を飲める解禁日は、11月第3木曜日と決められているそうです。
日本では、いつも当日のニュ-スで大きく取り上げられますが、友人のW氏はこの騒ぎを、何事も
本質を知ろうとせず、踊らされ易い日本人の姿の一つだと、嘆きます。
24年前の11月10日に、最初の駐在国としてベルギ-に赴任し、ブリュッセルに住み始めました。
しばらく過ぎての街角歩きの時、ある店先で陽が当たる場所に、バケツの中にワインを立て売られており、その価格が非常に安いのに驚きました。
翌日、駐在先輩のW氏に話したところ、「それはボジョレヌ-ボ-だが、ブドウジュ-スを醗酵させたもので 未熟ワイン だ。 言い換えれば、ワインもどきさ。 あんな物を飲むものではないよ。」と、
言われました。
駐在が長い彼は、ワインを学び楽しみ、TPOで飲み分けるワイン通となっており、ボジョレヌ-ボ-について教えてくれました。
1.ワインの製造プロセス
①.8~9月頃、ブドウの実が摘まれる。
②.大タンクに入れられた実は押しつぶされ、実汁と皮が一緒になった状態で、
1次醗酵が始まる。
③.ある期間醗酵を続けたあとで、こされてカスが取り除かれ、第一段階のワイン元酒となる。
④.このワイン元酒は、樽に入れられ、翌年の春まで第2次醗酵しながら、寝かせられる。
⑤.第2次醗酵を経て、樽からボトル詰めにされ、出荷される。(これまでに最低6ヶ月かかる。)
⑥.ボトルワインは、10~15℃の管理温度の下、ボトルの中で第3次醗酵を続ける。
⑦.ワイン購入者は、自宅のワインセラ-で保管し、時と共にワインが育つのを楽しみながら飲む。
2.ボジョレヌ-ボ-
8月に摘んだブドウの実から作られ、ワイン元酒は2ヶ月足らずでボトル詰めの製品となり、日本には11月上旬には届いている。
第一段階のワイン元酒のボトル詰めは、言い換えればブドウジュ-ス醗酵酒 のワインもどき。
ワインを知る欧米の知識人 は、ボジョレヌ-ボ-を、一般ワインとしては飲まない。
3.他のフランスワイン産地 では?
ボルド-とブルゴ-ニュがフランスワインの二大産地だが、ボジョレ地区 が行う ワインもどきでの生産出荷は絶対しない。
ボジョレヌ-ボ-が正しいワイン製法で本物ワインと評価されるなら、他のフランスワイン産地も同じようにするはずだ。
短期間でワインとしての出荷なら、手間暇掛けずに早期の売り上げとなり、より儲かるものだ。
4.11月第3木曜日が解禁日?
説は、いくつかあるが、第二次大戦中にドイツ軍に占領され、ワインを徴収されたボジョレ-地区は、戦後になって飲むワインが無くなり、翌年春まで待つことが出来ず、新しく解禁日なるものを作り、
未熟ワインで平和を祝ったとも云われている。
今では、解禁日を設ける事で、消費者に価値のある物のように思わせる、巧みな商法と云える。
5.ボジョレヌ-ボ-の値段は妥当?
原価は、通常ボトルでせいぜい2~300円位だ。 日本で飲むボジョレヌ-ボ-は、高い宣伝費+
飛行機代+利益マ-ジンで、高くなっている。 つまりボジョレヌ-ボ-を飲む者は、価値ある
ワインに高いお金を払っているのではない。
安い原価のブド-ジュ-ス酒を、ボジョレの戦略と宣伝で、高値で売るボロ儲けの商売。 本質を
見抜けぬ人達がいる限り、このボロイ商売は続く。
友人のW氏は、11月第3木曜日の騒ぎのニュ-スを聞くと、「いつになっても、本質を知らずに踊ら
される輩が減らず、それら日本人は実に情けないことだ。」と嘆いてきます。
昨年、私は、「自分のお金で買って飲むのだから、良いんじゃないの。タデ喰う虫も好きずきと
思えば。」と言ってみました。
すると彼は、「タデを食う虫は、タデを分かって喰っているんだ。 ワインの勉強もせずに、マスコミが取り上げるから踊らされて飲み、ワインと言えないものを美味しいワインだなどと言っていることに、我慢出来ない。 欧米の知識人に、日本人の本質を見抜けぬ低いレベルを晒しているものだ。」と、
さらに怒りを膨らませました。
今週末、W氏がまた憤慨の電話をしてくるのでは?と、思いつつ、焼酎のお湯割りを飲みながら、
この記事を書きました。
追記 : 2020年11月18日
今年のボジョレヌ-ボ-の解禁日は、11月19日です。
10月下旬に、今年のボジョレヌ-ボ-は成田空港で、通関を終えています。
毎年、「今年のボジョレヌ-ボ-は、最高の出来です。」と、宣伝されるワインもどき。
今年も、マスコミに踊らされる 無知なワイン通?のニュ-スが、TVで流れるのでしょうか?
Posted by ボブ at 22:33│Comments(0)
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