時の記念日に
ア-カイブ記事 公開 : 2015年6月10日
(6月10日は、「
時の記念日 」 です。9年前の公開記事を、アーカイブします。)
先週の金曜日、英会話クラスの際に、講師のジョンさんから懐中時計の検査を、依頼されました。
この懐中時計は、お祖父さんからジョンさんに贈られた物で、ケースの裏側に彼のフルネ-ムが
刻まれています。
「高級な懐中時計ではない事は、分かっています。 しかし、お祖父さんに贈ってもらった私にとって宝物です。 出来れば動くようにしておきたいのです。」と、検査(修理)を託されました。
家に戻り調べてみますと、ケースは真鍮ベース+ニッケルメッキ・機械は目覚時計に使われるピン
レバ-脱進機・文字盤には WESTCLOCK SCOTTY とプリントされていました。
手持ちの本に、WESTCLOCK 社は米国ジョ-ジア州アテネで、1906年に廉価懐中時計の量産を始め、1920年には日産15,000個製造していたと、記録されています。
翌日に機械を調べると、長年手入れされず油切れの状態から、歯車の軸を受ける地板に減りが
見られました。 取りあえず分解掃除をし、元通りに組み立て注油すると動き出しましたが、長く動き
続きませんでした。
また分解し、軸受け穴の減った地板を全て補修して、調整後に組立て注油すると、前より力強く動く
ようになり止まらなくなりました。 これから、毎日動かし様子見をしなが時間調整を行い、ベストの
状態でジョンさんに返し、彼の喜ぶ顔を見たいと思っています。
ジョンさんの依頼から、
時計記念日 の週に、久しぶりに時計修理の時間を持てました。
この時計修理をしながら、かっては
時計修理という一つの職業 があり、私も技術者として働いて
いたのが、
クォ-ツ時計の出現 で修理の仕事が無くなり、転職した体験を思い出していました。
技術の進歩が速い今の時代では、
今まであった職業が消える のが、想像以上に起きるのではと、
考えたりもしました。 例えば、今求められている英語などの外国語の習得には、高性能の携帯同時通訳機が開発され、母国語以外の言葉を習う無駄な時間が省けるようになると、予見する私です。
(ジョンさんの仕事が、無くなる話ですが…。)
〈 機械の分解 〉 〈 修理後の機械(ム-ブメント) 〉
〈 ジョンさんの懐中時計、直径 5センチ 〉
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