115歳の懐中時計

ボブ

2023年07月03日 22:27

    〈 ウオルサム懐中時計 直径55ミリ 〉              〈 美麗なムーブメント 〉











写真の懐中時計は、アメリカで 1908年7月5日 に、両親から息子に贈られた懐中金時計 です。

この懐中時計のケースは、無垢の14金でずっしりと重く、4ピース(胴体・中ブタ・裏ブタ・ガラス縁)が蝶番で一体となり、頑丈な構造です。

裏ブタを開けると中ブタが現れ、この中ブタに美しい英文筆記体で、下記が刻まれています。
              David Jones Davies
                     FROM
               Father & Mother
                    July 5 - 1908
      ( ディヴィド ジョゥンズ ディヴィス へ 父母より 1908年 7月 5日 )

私は、この懐中時計を26年前にオハイオの骨董市で見つけ、少し値が張りましたが、中ブタの刻字に魅かれて買い取り、私の懐中時計コレクションの仲間に入れました。

1908年のアメリカと云えば、T型フォ-ドの量産が始まった年ですが、当時の懐中時計は庶民には手が届かない高額商品で、宝石商によって扱われていたと書かれています。

14金ケ-スに収まっている ム-ブメント は、WALTHAM (ウオルサム)社製 リバ-サイド
19石
で、当時の最高グレイドです。
ゼンマイを巻くと動き出し、111年前の時計 とは思わせない元気な動きで、正しく時間を刻みます。

14Kのケ-ス裏ブタには、網目模様のようなギョシェ彫りが施され、下部に David のイニシャルの D のデザイン文字が入っており、息子への愛情を込めた特注品であることを示しています。

111年前の7月5日、この懐中時計が両親から贈られ、受け取った息子の喜びと感謝、そして幸せな家族の光景がありました。

毎年7月5日近くになると、この懐中時計を取り出し、ゼンマイを巻き動かし、 David も耳を傾けていた チクタク音 を聞きながら、この懐中時計が持ち主の手から離れ、日本まで着いた紆余曲折に想いを巡らせます。










関連記事