2024年11月12日

歩き遍路のバイブル

                ア-カイブ記事            公開 : 2012年12月18日

四国あるき遍路に向けて、まず札所の所在地・札所間の距離・難所・宿などの情報を集めた。
次に、右回り順の88ヶ寺+10ヶ寺のリストを作り、集めた情報を全て入れ、一覧表とした。
この一覧表から、毎日どこまで札所をお詣り出来、どこ辺りで泊まるかを計り、おおよその日程を
書き込み、全体日程を把握し予算を組んだ。

地図の準備は、ガイド本の札所ル-トのイラストをコピ-し、詳しい地図情報が欲しい土地・地域は
5万分の1地図を買った。
インタ-ネットの 四国八十八ヶ所お遍路地図 を開き、参考になる地図を、プリントアウトした。
宿情報は、ガイド本巻末にある宿リストをコピ-し、ネット 四国八十八ヶ所巡礼の宿泊所の一覧 の宿情報もプリントアウトした。 出発前には、5泊目までの宿予約を入れておいた。

これらの準備で、10月4日より四国あるき遍路をスタ-トし、第12番の焼山寺までは道に迷うことなく進めた。 しかし、その後は札所ル-トのイラスト図には載らない実際の道が沢山あり(当たり前の事。)、道の分岐点でどちらに進むべきか迷い、何度も無駄歩きを重ね、宿の所在地がよく分から
なかったり等、苦戦の連続となった。

7泊目となった民宿「鮒の里」は、歩く道に広告板を見つけ、その日の宿泊予約をしたが、歩く道沿いにあった宿を見落とし先に進んでしまい、その宿に辿り着いた時は、他の遍路客は食事を終えよう
とした時間だった。

遅れて食堂に入った私に、先着の遍路客から遅い理由を尋ねられた。 私が出発前に用意し使い
始めた地図類・資料を見せたら、「これでは、歩き遍路は出来ないよ。」と、言われてしまった。

全員が持っていた地図本は、へんろみち保存協力会発行の「四国遍路ひとり歩き同行二人」で、
「この先あるき遍路を続けるなら、早く入手して使うように。」と、アドバイスを受けた。
一人は、「宮崎建樹さんが作られたこの地図本は、歩き遍路に必要な情報が全て織り込まれている。 この地図本なくして、歩き遍路は出来ないよ。 歩き遍路者へのバイブル と言われている。」と、話してくれた。
歩き遍路のバイブル
彼らは四国に入る前に、この地図本を入手しており、通信販売で取寄せたか、
東京なら八重洲ブックセンタ-で買っていたそうだ。
四国に入ってしまった遍路者は、特定の札所売店で購入する手段があると
教わり、各札所の売店で探したが、入手出来たのは、その日から26日も過ぎた、第54番 延命寺 の売店だった。

バイブルと言われた地図本を開くと、出発前に時間を掛けて集めた情報が全て含まれており、また
使い勝手が良く、その後の歩き遍路は、比較にならないほど楽なものとなった。
準備に使った時間やコピ-は無駄だった事と、地図情報の不足より起きた苦労は、今回の歩き旅の3分の2の日程で起きていたものだった。

なお、仏教のお寺を巡礼する四国あるき遍路の地図本に、バイブルと云う言葉が使えるか?と、辞書で調べてみると、 【 バイブル…②.それぞれの分野で、権威のある書物。】 とあり、納得できた。





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