2016年04月09日

巡り合わせでギフト

                 ア-カイブ記事            公開 : 2015年4月18日

6年前に秩父札所を巡り、3年前に四国あるき遍路を行い、ともに結願できた私は、今も元気です。

私の札所巡りは信心からでなく、他所の土地を歩く一つの目的地として選んだものですが、札所を
訪れますと般若心経を唱え、形どうりの参拝を行います。 すると、何か心がすっきりする感じです。

今年は、坂東札所三十三観音巡り を行おうと、4月9日に鎌倉の杉本寺からスタ-トしました。

この日に、鎌倉で2寺・長谷で1寺の参拝を計画していましたが、1番寺となる杉本寺のご住職から、
逗子にある岩殿寺も近い事を教わり、4寺を参拝する結果になりました。

4寺目の岩殿寺の参拝を終え逗子駅に戻るとき、急げば東京方面行きの電車に間に合いましたが、ゆっくりと歩き続け、駅に着くと電車が発車したところでした。

20分ほどして、逗子始発の電車がホ-ムに入ってきて、私は高齢者として優先席に座りました。
次々と乗客が乗ってくると、空いた座席が埋まって行き、私の隣りに観光らしい西洋人女性二人が座ってきました。

座ると、二人はお喋りを始めましたが、私には聞き慣れない外国語で、何国人か検討がつきません
でした。 二人の内一人は年配で、もう一人は30代くらいの感じで、親子のように思えました。

時刻どうり電車は動き出し、東京方面に進みましたが、戸塚駅の手前で急に止まってしまいました。
すぐに車内放送で 「戸塚駅で、人身事故が発生しました。 この電車は、しばらく停車となります。」 と告げられました。

放送を聞いて、乗客は騒ぐこともなく諦観の体で、電車が動き出すのを待ち続けました。
車内放送は繰り返し行われましたが、いつ復旧するかが分からずにいますと、隣りの西洋人二人がそわそわし出しました。

二人は事態の把握が出来ず、困っているように思えましたので、私は思い切って英語で話しかけてみることにしました。

私が “ Excuse me. Do you speak English ? ”と問うと、若い女性が “ Sure. What ? ” と答えてくれました。

私は、次の駅で事故が起こり電車はしばらく動かない事を説明し、電車が遅れることで二人に問題は起きないか確認しました。 彼女達は大崎にあるホテルに戻るだけで電車が遅れても問題なく、私と同じ品川乗り換えと分かり、私が品川に近づいたら教えると伝えると、すっかり安心し落着きました。
 
私は、これで用が済んだと思っていましたが、若い女性から次々と話し掛けられる事になりました。

彼女たちはオランダ人で、2週間前に長崎に着き、桜前線を追うように東京まで来ており、家族三人での観光旅行を楽しんでいると、話しました。 約30分ほど、日本について様々な質問があり、逆に
オランダの話も聞かせてくれました。 例えば、オランダの定年年齢は67歳と、教えてくれています。

話が尽きかけてきた頃に、若い女性は “ This is a small gift for your kindness. ” と
言い、小さな物を差し出し、私にくれました。

長さ5センチほどで、オランダのシンボルと云われる木靴が、陶器で作られたものでした。(下の写真)
靴の表には花柄と風車の絵がプリントされ、靴を結ぶリボンはオランダの国旗の色で、美しく可愛い
ギフト用ミニチュアと分かりました。 裏返すと、ハンドメイド オランダ デルフトブル- とあります。

私はすっかり気に入り、家に戻って思い出の品々を飾っている キュリオケ-ス に納めました。

思い返しますと、この頂いたギフトは、様々な巡り合わせ によって、私の家に来たものと思えます。

・杉本寺のご住職が、逗子の岩殿寺も同日に参拝出来ると、教えて下さった。
・帰りを急がず、逗子始発の電車に乗り、優先席に座った。
・オランダ人観光客二人が、隣りに座った。
・戸塚駅で、人身事故が発生し、電車が長い時間止まった。
・オランダ婦人たちが困って、落ち着かない様子だった。

上記の、どの一つが欠けても、彼女達と話すことは起きず、ギフトを頂くことも無かったものと思え、
この巡り合わせ から エニシ(縁) と云う言葉が、心に浮かぶようになりました。

                〈 オランダ人観光客から貰ったギフト  5センチ大〉

追記 : 2016年4月9日
1年前のブログ記事を読み返すと、当日の様々な体験が思い出されます。
この日は様々な巡り合わせから、オランダ人観光客からギフトを貰っていますが、私が臆せずに
" May I help you ? " の気持ちで、声掛けが出来た結果でもありました。

1年前に語ボラ- (外国人おもてなし語学ボランティア)の予行を、偶然に行っていたものでした。


  


  • Posted by ボブ at 12:09Comments(0)英語思い出・品