2017年04月02日

水戸で見学

3月28日~29日に、水戸に行って来ました。

水戸に出掛けた目的は、茨城県近代美術館で開催の 東山魁夷 唐招提寺御影堂障壁画展
見学でした。

2001 年 東京都美術館で開催された 国宝 鑑真和上 展 に行き、鑑真和上座像を見学し、奈良
時代に制作された国宝の肖像彫刻は、和上が生きているかのように見え、感動しました。
6度に及ぶ多難な渡航を乗り越え来日し、日本で正しい仏教普及への道筋を通す役割を果たした
盲目の和上の 横顔 は穏やかで、口元から微笑みが浮かぶように見えました。

この鑑真和上座像は、唐招提寺の御影堂に鎮座しており、その建物には和上の御心を慰める
障壁画が描かれており、この制作を依頼された東山魁夷が一度は断ったものの、唐招提寺で鑑真
和上座像と対面して制作を決心し、10年の歳月を掛け完成させたと知り、ぜひ鑑賞したいと思い
ながら16年も過ぎていました。

東山魁夷画伯による障壁画の制作過程は、NHKTVで紹介され私は2度観ており、近代美術館に
入館し実物の障壁画と対面出来ると、制作にあたっての構想 → 日本・中国各地でのスケッチの旅 → 5分の1下絵作り → 障壁画作成 に至るまでの、東山魁夷画伯が集中し精神を凝らした10年が思い出されました。

実物の障壁画は、想像以上に素晴らしいものでしたが、鑑真和上の故郷・中国の風景は全て水墨で描かれており、水墨画の経験が無かったた画伯が、障壁画の構想過程で中国の風景は水墨でと
決め、水墨画の世界へと歩みを入れ完成させたと知り、心を打たれました。

襖に描かれた 揚州薫風 では、薫風を受け揺れる柳の葉が動いているかの様に見え、御影堂に
坐す鑑真和上が、故郷・揚州を心眼で愛でているものと思いました。

この 唐招提寺御影堂障壁画展 は、今後数年間かけて御影堂の修理が行われるに際し、通常は
非公開となっている障壁画の全貌を、水戸を皮きりにいくつかの都市で紹介してゆく企画でした。

長年、一度鑑賞してみたいと思っていた本物の障壁画を、上野から1時間半の水戸行きで、ゆっくり見学でき、大変満足して来ました。

   〈 茨城県近代美術館の会場入り口 〉           〈 千波湖を1周歩きました。〉











    〈 翌日 日本遺産 弘道館を見学 〉            〈 日本遺産 偕楽園の好文亭 〉







  


  • Posted by ボブ at 22:06Comments(0)外出