2014年02月10日

道しるべ札 あるき遍路回想

普通の遍路道の要所要所には、お遍路が道を間違えないように、道しるべ があり、助けられた。

一方で、草木がうっそうとする山中の狭い旧遍路道には、道しるべ札 が使われていた。
ハガキ大で少し長目サイズの白板に、赤い字で 遍路道 または へんろ道 と書かれ、歩く人の目の
高さより少し上の位置に、木の枝に結ばれていた。

草木が多い山道では、丈の低い石碑や立札は、伸び育つ草木に隠れてしまいがちで、木の枝に
吊るされた 道しるべ札 は分かり易い。
険しい道脇に吊るされた 道しるべ札 には、遍路道を示すだけでなく、お遍路を励ましたり、教訓するもの等があった。

11番藤井寺から12番焼山寺に向かう旧遍路道は、アップダゥンが長く続く厳しい山道で、脚力の
弱い人達が、ここで遍路歩きを断念しがちなため、遍路転がし の名前がついている。
藤井寺から進むと、「遍路転がし1/6」の標識が出て険しい道へと変わり、じきに息は荒くなり額に玉の汗が噴き出てきた。 これから先、この苦しい道がどれほど続くのかと思い歩き続けていると、
道しるべ札がんばって下さい 」が目に入ってきた。 足を止め、この「がんばって下さい」の言葉
に、優しい女性からの応援を感じ、気を奮い立たせ、再び歩みを続ける事が出来ていた。

その後に続く道しるべ札には、様々な言葉が書かれており、それらの言葉を読むと心が軽くなり、
険しい遍路道を一歩一歩進む事が出来た。 

・はげまし型 … 「がんばって下さい」、「頑張って」、「頑張れ!」、「進むのみ」、「大和魂
・教訓型 … 「辛い?それが人生」、「遍路即ち人生」、「心を洗う遍路道」、「艱難汝を玉にす」 
・祈り型 … 「南無大師遍照金剛」、「合掌」、「同行二人

これらの言葉を思い出すと、あの旧遍路道の歩きが、懐かしく思い出されてくる。 (合掌)



  


  • Posted by ボブ at 10:14Comments(0)四国あるき遍路