2013年04月22日

若冲が来てくれました展

ロサンゼルスに住む、江戸絵画の世界的コレクタ- ジョ-・プライス夫妻が、東日本大震災の復興支援の目的で、選りすぐりの絵画100点を米国から日本に運び込み、若冲が来てくれました展
名付け、3月1日から仙台を皮切りに、岩手~福島と公開して行きます。

私が、江戸中期の絵師 伊藤若冲の名前と作品を知ったのは、7年前に東京博物館で開催された
若冲と江戸絵画展 を見学した時でした。
高校の美術史教科書には、伊藤若冲の記載はなく、この絵画展で若冲の作品を観て「これほどの
作品を残した絵師が、なぜ日本では評価されず、作品が海外に流失してしまったのだろうか?」と、
疑問に思ったものでした。 
この展示会で、一番印象に残った作品は鳥獣花木図屏風で、8万6千個の升目に着色したモザイク画には、多種多様の動物・鳥の楽園が描かれ、スケ-ルの大きい構図・楽しさ・美しさで見飽きることなく、またゆっくり鑑賞したいと思いました。

その後、4年前に開催された皇室名宝展を見学した際に、展示品の目玉の一つとして伊藤若冲の
動植さい絵・群鶏図 があり、皇室が日本のお宝として所蔵している事が分かり、納得出来ました。
動植さい絵・群鶏図は鋭い観察に基づいて、鶏を始め生き物が極細密に描かれ、色彩も鮮やかで
その素晴らしさに感嘆しました。

ジョ-・プライス夫妻が、「東北の人々、特に子供たちに美しいものをお見せし、元気付けたい。」と、再び鳥獣花木図屏風を持ち込み、今回はガラスケ-スなし展示と知り、心遣いを嬉しく思いました。

ようやく4月17日に、仙台市博物館で開催の若冲が来てくれました展 を訪れ、館内はさほど混んでいない良い環境の中、 今回は鳥獣花木図屏風ガラスケ-ス越しでなく 、本物の色彩を直接鑑賞する事が出来、訪れた甲斐がありました。
また仙台市博物館では、江戸絵画の楽しさを学べるよう、分かり易い分類にした展示構成と解説を
しており、好評でした。

ジョ-・プライス夫妻の志から、高校生以下は無料ですので、この機会に東北に住む中高生徒たちは江戸絵画の名作・特に鳥獣花木図屏風を鑑賞されておくと良いと、思います。
(この至高の美術品が、日本で公開展示されるのは、今回が最後では?とも、云われています。)

               〈 鳥獣花木図屏風 右半分 169センチ x 374センチ 〉






  


  • Posted by ボブ at 10:35Comments(2)外出

    2013年04月14日

    美味しいアサリ

                          ア-カイブ記事            公開 : 2012年4月10日

    アサリの国内自給率は、40%くらい(厳密には、20%以下。)だそうで、
    手頃な値段で売られるアサリの多くは、中国などからの輸入アサリです。
    輸入されたアサリは、日本各地の海水に浸しておく蓄養作業を経て、
    蓄養した地域産となり、熊本産・愛知産などの表示で売られています。

    ス-パ-などで買うこのアサリは活きていますが、塩水に浸しても、貝を開き吐水管を出し、水を吐く元気さは滅多に見られません。
    これは、中国などから日本に運ばれ、蓄養場で海水に浸されますが、輸入までの間に消耗した貝の身は十分に回復出来ず、さらに輸送・保管中は低温で仮眠状態となっていたからです。
    輸入アサリは、生きるため身を痩せらせ、低温保管で身が硬くなっており、アサリ本来の美味しさが、失われてしまいます。

    また、環境汚染が規制されておらず、重金属などを含んだ汚水が垂れ流される国の海で採られる
    アサリは、日本での蓄養作業だけでは、安全食品にならないものと思えます。

    以上より、安全で美味しい日本アサリを求めて、昨年から東京湾三番瀬の潮干狩りに行くようになりました。 (千葉などにある潮干狩り場は、前の晩に輸入アサリを撒いておくものです。)

    昨年は3回行き、昨日(9日)今年初めて 高橋遊船の三番瀬潮干狩り に行ってきました。
    昨日は南風が強く、その風で海水が押し寄され潮が引かず、目指した場所でないカキ殻礁での体力勝負の潮干狩りとなり、さらに今年の寒さから貝が育っておらず、小粒が多いものでした。

    採れた量は 2kg 弱と、良い成果ではありませんでしたが、昨晩はアサリ沢山の味噌汁とし、今日の
    昼はスパゲッティ ボンゴレで、美味しいアサリを堪能出来ました。
    貝殻からはみ出るほど膨らんだ身は柔らかく、味は濃厚で美味しく、体力勝負の潮干狩りの疲れを
    忘れさせてくれました。

    アサリに多く含まれる亜鉛物質が、人の体で
    不足すると、味覚障害を起こすと言われます
    ので、これからも安全・美味なアサリを求めて、三番瀬潮干狩りに出掛けます。







    追記 : 2013年4月14日
    4月12日、今年初めての 三番瀬潮干狩り に出掛けました。
    新月での大潮のため、あまり潮は引かず、また狭いカキ殻礁で体力勝負のアサリ採りとなりました。
    1kgほどの貧漁でしたが、夜は貝一杯に身が詰まり、プリプリで濃厚な味のアサリを楽しめました。
    次回は5月の満月大潮に、リベンジ潮干狩りに出掛けるつもりです。
      


  • Posted by ボブ at 10:50Comments(0)食べ物

    2013年04月07日

    山桜

                          ア-カイブ記事            公開 : 2012年4月16日
    桜の季節に、私が一度は訪れたい場所は、あきるの市の秋川に沿っている秋川丘陵です。



    13日に訪れますと、9割が落葉樹の丘陵は、木々が揃って芽を吹き出し、丘陵ぜんたいが淡い緑となり、春霞で覆われた風情となり、その所々に山桜が咲き出した景色は、一幅の絵のようでした。
    山桜の木は、人為に植えられたものでなく、種が鳥などに運ばれ芽吹いて育ち、花を咲かせるようになると、再びその木の種を鳥や自然が運び、写真のように増えたものです。

    反対側の秋川ぞいには、堤に植えられたソメイヨシノの桜木が大きく育ち、満開となって堤に沿って
    ピンク色の長い帯を作り、人が作った桜の景色となっています。
    この景色を、写真撮影に来ている人たちが多くいましたが、丘陵の山桜にカメラを向ける人は、いませんでした。

    現在は、桜と言えばソメイヨシノが代表種となっていますが、この桜木は江戸時代に人為交配されて生まれたもので、それ以前のサクラは山桜が代表種です。
    たとえば、吉野桜(奈良)の名が天下に知られていますが、この吉野桜は山桜で、昔から日本人が
    愛でてきた桜です。

    秋川丘陵の山桜が咲き出しますと、他の落葉樹の若緑とのコントラストで、より美しく感じますが、
    この桜の花の見物では、丘陵の下の道を歩きながら、桜が咲く丘の景色の変化を楽しんでいます。

    この写真の辺りは、切欠(キッカケ)と呼ばれる場所で、カタクリの群生の地 として保存活動が
    行われており、3月下旬ころから見物の人が、多く訪れます。

    さらに下に進むと里山風景が広がり、摘み草に訪れた人たちも、多く見かけられました。
    私も、この山桜風景の見物歩きの中で、ツクシ・ノビル・クレソン等を摘んでおり、今年も僅かな時間で、お土産が出来ました。

    この日の夜は、ツクシのバタ-炒め(美味)・
    ノビル味噌・クレソンのテンプラと野趣豊かな
    酒の肴があって、晩酌は更に嬉しいものとなり
    ました。


    追記 : 2013年4月7日
    先週3日の大雨が上がり4日は好天となり、秋川の残りヤマメ狙いで、東秋留に釣行しました。
    堰堤に沿って植えられたソメイヨシノは、満開を過ぎ花を散らし始めていましたが、丘陵の山桜は
    写真の美しさで、見応えありました。
    ツクシは3月の異常な暖かさで、既に伸び切り枯れており、楽しみにしていたツクシのバタ-炒めに、摘むことは出来ませんでした。 今年の春は、2~3週間ほど早く来ていたものでした。

      


  • Posted by ボブ at 09:30Comments(0)植物・園芸

    2013年04月03日

    貴婦人と一角獣

    昨日(4月2日)外出した際に、小平駅の線路沿いの広告看板群の中に貴婦人と一角獣展の絵が、ありました。 これは、4月24日より国立新美術館(六本木)で行われる特別展の広告ですが、この
    広告絵の赤の鮮やかさが、このようではないはずと、気になってしまいました。

    西暦1500年頃に制作されたと言われる、このタペストリ-の作品群は、始めフランスの古城の壁に掛けられていて、19世紀に買い取られ、現在はパリのクリュニ-美術館(仏 国立 中世美術館)に
    あり、薄暗い館内の円形の広間の壁面を、ぐるりと掛け巡らしています。

    20数年前に、私はこのタペストリ-の見学で、クリュニ-美術館を訪れていますが、ほの暗い館内でタペストリ-を見た時は、ずいぶんと古色蒼然の赤色と感じ、16世紀からの時を経た織物では当然と思い直しています。
    その時、お土産としてコピ-品を買っていますが、この品も色あせた赤で作られていました。

    看板絵の色彩を見て、その鮮やかな色を期待し新国立美術館に行くと、期待外れを感じてしまい、
    フランスの至宝
    と云われる所以の部分を見落としてしまうのでは、と余計な心配です。

    一方、昨夜のBS4 番組「ぶらぶら美術・博物館」では、仙台市博物館で行われている特別展 「若冲が来てくれました プライス コレクション 江戸絵画の美と生命」 を訪れ、主に伊藤若冲の作品を
    中心に紹介していました。

    この特別展の中で、「鳥獣花木図屏風」は目玉の一つで、7年前にも日本で公開されていますが、
    プライス氏のご高齢より、今回が最後の日本公開では?と云われています。
    番組の終わりに、ジョ- プライス夫妻が出演され、「被災された東北の方々を元気付けるため、この特別展を東北で行うことにしました。 特に屏風に描かれた生き物への色彩の素晴らしさを見て、
    元気になってもらいたく、屏風の前にガラスを置く事をしていません。」と、語られており、さすがと思いました。

    両方の美術品とも過去に見学していますが、日本で見られるのは最後と云われていますので、両方の特別展を訪れる計画をしています。

    お土産で買った一角獣をつれた貴婦人のタペストリ-。 思い出の品で、大のお気に入りです。 
    ベッドの横の壁に掛けてあり、毎朝・毎晩と自然に目に入り、この不思議な絵柄を見ると気持ちが
    和らぎます。 可愛い動物たちと、千花模様(ミル・フル-ル)。 いくら見ていても飽きないものです。

              〈 一角獣をつれた貴婦人 視覚 〉   高さ 85センチ 横 195センチ




      


  • Posted by ボブ at 13:41Comments(0)思い出・品